締切を控えているときに記事を書くのは愚の骨頂である、そんなことは分かっています。 ただ、今日シャワーを浴びていてなんとなく頭に思い浮かんだことがあり、記録せねばとなったのです。 頭の中でシミュレーションした限りはそんなに時間はかからないはず…。

ということで曲紹介。 今回は DeathJealousy です。

書きたいポイントは、一部のヘビーメタルに見られる動機のない曲展開についてです。 シャワーを浴びながらふと思ったことをざっと言語化してみると、こんな感じです。

最近は流れの把握しやすい音楽を聴くことが多い。 すなわち、目立ったコード進行をまとめたブロックがいくつかあり、そのブロックをある程度一定の規則で組み合わせたものである。 具体的には『A→B→A→B』や『A→B→サビ→A→B→サビ→C→サビ』のようなものである。 ところが、もし自分が曲を作るとなったら、いかに『動機のない曲展開』を入れるかにこだわるような気がする。 (ちなみに『たま』の音楽は進行や曲展開は素直なものの、動機のない叫びや音が入るのでそういうのもやりたいとは思う。) 『動機のない曲展開』はシューマンの曲とかでもあった気がするが、自分にとっての源泉はヘビーメタルだ。

とここで脳内で流れ始めたのが Jealousy だったわけです。 今回はこの曲の進行をABCの記号で表記してみます。 プログレッシブメタルは動機のない進行が多いと思っている割には実際にこんな簡単な分析もしたことが無いなと思ったので、 ブログ記事という場を借りて進行をメモする試みをしようという魂胆です。

この曲をリフでブロック分けしてやると、全体の進行は以下のようになります。

0:00 ~ 0:20  A
0:20 ~ 0:37  B
0:37 ~ 0:55  C
0:55 ~ 1:12  D
1:12 ~ 1:35  E
1:35 ~ 1:59  F (ギターソロ1)
1:59 ~ 2:23  G (ギターソロ2)
2:23 ~ 2:43  A
2:43 ~ 3:00  B
3:00 ~ 3:18  C
3:18 ~ 3:37  D

マジで何???

きちんと統計を取ったわけではありませんが、わずか3分半の曲で7つのリフが存在するのは、直観的に考えても異常な値と言わざるを得ません。 おまけに各ブロックの BPM も完全に共通しているわけではありませんし、当然のように全て漏れなくカッコ良いです。 リフの格好良さは本記事の趣旨から外れるので多くは語りませんが、特に A, B, E のようなひねくれたリフはやっぱり良いですね。

この時期以降の Death が凄いのは、これだけ短いインターバルでめちゃくちゃに曲展開をしていながらまとまりを感じ、印象にも残ることだと思います (これはだいぶ主観的な意見なので実際のところは分からないですが)。 この要因としてはリフそのものの格好良さがあるのはもちろんのことなのですが、もっと細かくコードの進行とかを見れば何か分かったりするんだろうか? ともかく、このように一見動機のない謎の曲展開をこれだけ詰め込んでもかなりマトモな曲(主観)に帰着するという事実には何か勇気づけられるものがあるな、と思いました。

なんか思ったより面白かったので、プログレッシブデスメタルの楽曲に対してこのくらいの粗い粒度での分析を続けてみたい気がしてきました。続かなさそう〜。