パリ滞在の感想と考え事

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2026年5月から7月まで、パリの高等師範学校 (ENS) にある Cognitive Machine Learning (CoML) というチームに訪問学生として滞在し研究を行なった。 以前のこの記事では研究滞在の実現方法について書いた。 この記事では、研究滞在を経ての雑多な感想や考え事について記す。

フランスについて

パリの街並みについて

シャルル・ド・ゴール空港に着くと早速眼前に空間を縦横無尽に走る謎のエスカレーターの空間が立ち現れ、「これが芸術の街か〜」と思った。 しかし実際にはそれほど美しい街というわけでもない。 確かに上を見れば美しい街並みが広がるが、下を見ればゴミは落ちているし道路も歪んでたりする。 エスカレーターをはじめとする電気機器類はよく壊れており、特に駅の改札機はいつまで経っても直らず、そもそも動いているのを見たことがないものもよく見かけた。 洗練されたイメージはあるが、実情は意外と散らかった街であった。 とはいえパリは人口密度が高く、電車は日本並みに混雑することもある。 このような都市でインフラを完璧に整えるのはそもそも難しく、むしろ日本が異常なのでは?という気持ちになった。 日本に戻ったとき、どこもかしこもものすごく整頓されていることに気づいてとても驚いた。 フランスはものが汚かったり壊れたりしてはいるものの、それで困った経験はほとんどなかったし、このぐらいのおおらかさを持ってみんな過ごしていく方が楽なんじゃない?とも思った。 それでもやはり日本人なので、日本の well-organized な空間の方が居心地良く感じてしまう。 インフラを管理してくれる皆さんへの感謝の念が絶えない。

いきなり何の話してるんだ?パリの話に戻ろう。 基本的にどこを見ても石造の背の低い建物が広がっていて、セーヌ川とのコントラストがとても美しい。 滞在中はルーブルをはじめいろいろな美術館を巡り、エッフェル塔や凱旋門などのベタな観光地も一通り回った。 さすがにどこも素晴らしい場所だった。 凱旋門は最後の最後にギリギリで行ったが、パリ独特の円形の街並みを俯瞰することができてエモである。 また、そこら中にめちゃ広い公園があって緑が維持されているのも気に入った。 公園の中で本を読んだり勉強したりしている人もたくさん見かけたし、東京ではなかなか見かけない良い雰囲気だと思う。

料理について

料理は色々と楽しんだ。 牛肉のワイン煮や、マルセイユで食べたブイヤベース、ストラスブールで食べたシュークルートが特に印象に残っている。 本当はワインをいろいろ楽しむべきであったが、金銭的にもアルコール許容量的にも余裕が無かったのが残念。 それにしても円安と物価高は凄まじく、そのへんのお店でも夕食+ドリンクで5000円ぐらいは吹っ飛ぶ。 そのため、日常的には近所のブラッスリー(パン屋)で買ったバゲットにスーパーで買ったパテ、トマト、チーズなどを組み合わせて食べることが多かった。 バゲットは1ユーロで買えるので便利。 日本で言う米のような感覚である。 ブラッスリーはパティスリー(スイーツ店)が一緒になっていることが多く、このスイーツがまたハイレベルであった。 特にエクレアは日本のスーパーで売っているものとは種類が明らかに違い、クリームがみちみち詰まっていてかなり好きだった。 マカロンもそこら中で売っていて大喜びであった。

ファストフード的な立ち位置の食事としてケバブがそこら中にあった。 10ユーロくらいでお腹いっぱいになるので重宝した(でも日本のケバブの方が味は好き)。 ファストフード系だとレバノン料理がかなり美味しかったのだが、日本で同じようなものを食べられるお店がなかなか見当たらず残念である。

まあでも結局総合的には日本の環境と食べ物の方が好きである(スマン!)。

家(日本館)について

パリには「シテ」という巨大な国際宿舎があり、「日本館」のように国ごとに建物が存在する。 自分は日本館に住んだが、別に日本人が日本館に住まなくてはならないわけではなく、日本人以外が日本館にいても良い。 マジョリティが日本人というぐらいのイメージで、普通に英語でのコミュニケーションも発生する程度には国際色のある宿舎だった。 自分の部屋にはキッチンが付いておらず共用だったのでちょくちょくコミュニケーションが発生してなかなか楽しかったが、そもそもそんなにソーシャルなタイプではないのでたまに苦痛ではあった。 とはいえ月に数回ホールでイベントが開催されていたりして、ちょっと顔を出してみるといろいろな知り合いができた。 わざわざ海外に来るような人々はやはり一味違う感じがあり、研究内容も魅力的で人としても面白い人が多かったように思う。 ちょっと高かったけれど、ここを選んで正解だったように思う。

熱波について

最悪である。 何が最悪なのかというと、ヨーロッパは平常時であればエアコンなどなくても一夏を気持ちよく過ごせるため、エアコンがほとんど普及していないのである。 熱波が本格化したのはほんの去年の話。 そのため、気温は40度近くまで上がっているというのに家にも大学にもエアコンが無いという凄まじい環境で研究をしなくてはならなかった。 研究室には送風機があったが、生暖かい空気がかき回されるだけであった。 部屋で学生が「今日はファイルの整理しかしていない」と言っていたので、多分この期間は誰も生産的なことができていない。

だが、これが思わぬ体験を引き起こしてくれた。 PI が Meta にも所属しているのだが、Meta はエアコンが効いているということで、2日ほど Visitor として Meta で作業させてもらえたのだ。 と言ってもデスクが与えられるというわけでもなく、空いている会議室を点々としながら作業というものではあった。 それでもビッグテックの無料社食を食べたり、謎のDJパーティーに参加するという貴重な体験をすることができた。 社食はガチで美味しかったしコーヒーももちろん飲み放題なのでこれだけで仕事のモチベが上がってしまう。 エアコン共々、資本の力を感じた瞬間である。

研究面での成果

研究室のスタイルについて

研究室の

反省点: 英語

これは研究者として大変恥ずかしいことだが、英語力の不足は日々感じざるを得なかった。

1。

  1. ちなみにあとで分かったことだが、実際には国内の知り合いのコネをもう少し利用することができそうだった。 ↩