INTERSPEECH2024 参加記・旅行記(その1)
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※ちょっと前までなんとなくですます調でブログを書いていたが、なんだか表現が制限される実感があったので、今回からは特に丁寧な言い回しはしないことにする。
INTERSPEECH2024 に現地参加した。 会期は2024年9月1日(日)〜5日(金)で(1日はチュートリアル)、開催地はギリシャのコス島である。 自分の発表は以下であった。
国際学会に現地参加するのは初めてで、なんなら海外自体が実質ほぼ初めてみたいなものだったので、正直楽しみより不安が勝っていた。 結果的にはいろいろ盛り沢山でかなり良い体験となったので、ブログに参加記・旅行記を書いてみる。
今回の行程は以下の通り。 記録が結構長くなりそうなので、本記事では学会前日まで(太字部分)の内容を書くことにする。
- 8/30-31: 移動日(成田 ️→ 上海 → アテネ → コス島)
- 8/31: コス島を少し観光、前泊
- 9/1-5: 学会会期
- 9/6: コス島からアテネへ移動、アテネ観光
- 9/7: アテネ観光
- 9/7-8: 移動日(アテネ → カイロ → 成田)
8/30(金)
成田から乗継地の上海へ
この日は夜の便で成田空港を発つ日である。 成田空港自体は国内旅行で何度か使ったことがあるが、いつも第三ターミナルで、第二ターミナルは初めてであった。 と言っても目新しいことと言えばパスポートを出したことぐらいで、思ったよりあっさりチェックインが出来た。 また、成田のカードラウンジでは缶ビールがサービスされることが分かった。素晴らしいことです。
航空会社は吉祥航空。 時間的に食事は出ないと思い込み空港でたらふく肉を食べておいたのだが、なんかおやつみたいのが出た。 これは早速予想外。味は普通。 3時間ほどで乗継先の浦東空港(上海)に到着。 時差が1時間あるのでちょっと感覚が狂うが、一応日付を跨いでの乗り継ぎとなる。
8/31(土)
上海からアテネへ
現地時間22時ごろ、浦東(プドン)国際空港に到着。乗継時間は2時間ほど。 足りないかと思って心配だったが結局だいぶ余裕があった。 中国はなかなか警備が厳重で、乗継デスクでは受託手荷物の暗証番号を聞かれた。 「物理キーです」と伝えたら「ここで待ってろ」と言われたので何か手続きが必要なのかと思いきや、そのまま何事もなくチェックイン。 デスクの横で一人ポツンと15分くらい立っていたあの時間はなんだったのかと思ったが、もしかすると「待ってろ」と言われて待てる程度の人間であることを確認されたのかもしれない。
現地時間0時15分の便にて、ほぼ定刻通りに離陸。 ここからアテネ空港までは11時間ほど、これまで経験したことのない長距離フライトである。 成田→上海便が狭かったのでビビっていたが、流石に上海→アテネ便はやや広くて安心。 時間的には完全に深夜なのですぐに眠りたかったのだが電気が一向に消えない。 それどころか離陸して1時間くらいで機内食が提供された。 どう考えても時間変じゃない??と思ったが国際便とはどうもそういうものらしい。 機内食は合計2回出て、ピザトースト的なものと焼きそば的なもので割と美味しかった。 機内ではしょっちゅう中国人と勘違いされ、乗客や客室乗務員の方に中国語で話しかけられて困った。 一応ほんの少し中国語を勉強しているので、飲み物の希望を尋ねられたときに「shuǐ」と言ってみたのだが、「water?」とやんわり確認されてしまった。 発音が難しい言語であるとはいえ「水」も満足に言えないようでは困ったものである。
疲れていたのか機内では意外と寝ることができた。 今回分かったこととしては、ネックピローは無い方が良い、耳栓は無くても眠れる、寝ていると激烈に喉が渇くので飲み物を用意すべき、といったところである。 目が覚めてから着陸までは機内モニターですずめの戸締りを見た。
アテネからコス島へ
アテネに到着したのは現地時間で朝7時半。 日本との時差は6時間なので、日本では昼下がりといったところである。 昼下がりに1日が始まるというのは何とも奇妙な感覚だ。 初めてのヨーロッパで、当然ながら周りも西洋人ばかりで新鮮ではあったのだが、空港の中というものはなんやかんやで国際的に画一化されているようで、海外に来た実感はまだ薄かった。
航空会社がエーゲ航空に変わるため、一旦荷物を受け取ってチェックインをする。 ここも乗継が2時間しか無かったのだが、案外余裕があって良かった。 ゲート前のカフェで冷たいコーヒーは何があるか聞いてみるも「アメリカーノ」しか聞き取れない。 これ聞き直しても分からんなとなったのでひとまずアメリカーノを頼んだ。 美味しかったけど特に日本と差があるわけでは無かった気がする。
ゲートから機体まではバスに乗車。 ここでICASSP読み会で知り合った高城さんとそのご一行に遭遇。 そしてまさかの(言わずと知れた)渡部先生と遭遇。 講演を聞いたことはあるが、きちんと対面でお会いするのは初めてである。 コス島へ行く飛行機は限られているので、日本からアテネ経由で来る人と被る可能性はそれなりにあったが、アメリカから来た渡部先生と被るのはかなり偶然だった。 せっかくなので軽くご挨拶と会話をした。 「NLPから音声に来る人は貴重」とのことだったので、頑張りたい気持ちになった。
飛行機に乗り込んだが、どうやら遅れている様子。 機長の英語があまりに謎でなぜ遅れているかはついぞ分からなかった。 結局1時間ほど機内で待ってようやく離陸。 小さめの機体でワクワク感のあるフライトであった。 着いてみるとさすがにこじんまりとした空港で、お店もパン屋さんぐらいしか無かった。 このあとは空港から市街地までバスに乗る予定だったが、遅れた関係で一本後のバスに変えざるを得なかったので適当に作業しながら過ごした。
コス島ゆる観光
市街地に向かうバスには地中海の太陽が差し込み、クーラーもあまり効いておらず灼熱であった。 30分ほど耐えて市街地へ到着。今日はここに宿を予約している。 会場のKipriotis International Convention Center (KICC)は市街地からローカルバスで10分ほどの位置にあるため、 会期中は市街地に泊まるとやや不便と判断し、会場すぐそこの別のホテルに宿泊することとなる。 結局交通の利便性はそれほど悪くなかったのだが、なにぶんローカルバスの時刻表が事前に調べ切れていなかったので仕方ない。
さて、実は海外のホテルに一人で宿泊するのは初めてである。 なんとなく不安はあったのだが、朝食付きで100ユーロの割にかなり清潔で感動した。 恐らくかなり当たりのホテルだったのではなかろうか。 トイレに紙が流せない(ゴミ箱に入れる)ことには軽くカルチャーショックを受けたが。
窓からのオーシャンビュー。 夜景もとても綺麗であった。 ちなみに海を隔てて向こうに見えるのはトルコのボドルムである。
部屋で落ち着いていると時刻は既に16時近くになっていたが、せっかくなので軽くコス島の市街地を観光する。 雰囲気を感じ取れる程度には楽しむことができたと思う。
- コス島の散歩道。
- ローマ劇場(Roman Odeon)。2世紀に作られたらしい。
- Casa Romana。こちらも2世紀頃のもの。割とこじんまりとした施設で、美術品の展示が主体。中心部にこんな感じの庭がある。ギリシャにやって来た感。
- 古代アゴラ(Ancient Agora)。紀元前4世紀頃のもの(!)。アテネにも同名の有名な遺跡がある(最終日に行くことになる)。
とまあ、それっぽい場所にはいろいろ行ったのだが、「Roman とか Romana とか言うけど、ギリシャとローマとどんな関係があるんだっけ?」というかなりトホホな前提知識でノコノコやって来てしまったので深く楽しむことが出来なかったと思う。 このあとも「次は世界史を勉強してから行こう」という思いにさせられる体験を沢山することになる。
3時間ほど歩き回りお腹が空いたので、ギリシャ料理のギロス(gyros)を食べた。10€くらい。 ケバブっぽい食べ物でなかなか美味しかった。 デザートも頼んでいたのだが、ギロスが想定の2倍ぐらい量があったのでキャンセルして代わりにビールを頼んだ。 「欧米は食事の量が多い」ということを身を持って体感できた。
部屋に戻り風呂に入ろうとすると「Shower Gel」なるものを発見。 要するにボディソープらしいのだが、泡風呂もできるという。 ワクワクで試してみたが全く泡立たずしょんぼりした。 シャンプーもほとんど泡が立たず、海外ってそういうものなのだろうか?と思った。
といった感じで学会前日は終了。 思えばずっと起きっぱなしでよくこれだけ動けたものだ。 地中海の海の景色や古代の遺跡は日本では決して目に出来ないもので、何か脳を興奮させる物質が出ていたのかもしれない。 満足感の中で夜はぐっすり寝た。
P.S. アテネも然り、ギリシャではそこかしこに猫が寝転んでいる。暑いよな..分かるよ…